アリサ・リリーベル・シュタルクヘルトは死んだ
「わがまま……」
「我が儘じゃなくても、自分の意見で構わない。今すぐじゃなくていい、少しずつ自分の気持ちを話してくれ」

 壁にかかっている時計を見ると、夕食の時間が過ぎていた。
 いつもなら、食堂が混雑する前に二人分の食事を取りに行っていたが、今行くと混雑しているだろう。
 それでも、今取りに行かなければ、二人分を確保するのは難しそうだ。

 オルキデアがソファーを立つと、「あの!」とアリーシャは声を上げて立ち上がる。

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