秘密のカンケイ

「いや～結婚して共働きとかだと俺もできないと困るからさ。今からちょっと練習。あんま旨くないかもだけどごめんな～」

そうニカッと笑う。もう雄大は結婚まで一直線に考えている。

「あの…そのことなんだけど…」

「ん、何?ってか詩音の仕事が落ち着くのいつ?結婚となるとお互いの親に挨拶とか必要だろ?ある程度予定立てておかないとなって思って」

うっ…と言葉に詰まってしまう。私の話は出鼻を挫かれた形だ。今日別れ話は今の私ではできない…。後日改めてしなきゃなと気を持ち直した。

「ちょっと今すぐはわからないかな。新しい仕事の担当になったからそれの枠組みができるくらいまでは最低でも…。2ヶ月あれば確実だと思うけど」

そう必要以上に長い時間を取って時間を稼ぐ。その間に決着をつけよう。