すてきな天使のいる夜に〜2nd Sstory〜
「どうして分かったんだろうな…
沙奈がここに通っていること。」
「沙奈が病気を患ったのは最近のことだから、父親が沙奈を監視していない限り居場所が分かるはずもないのにな。」
俺や翔太はもちろん、大翔にも分からない。
冨山さんなら知っているのだろうか。
「冨山さんなら、沙奈の小さい頃を知っている。
もしかしたら、冨山さんなら何か知っているのかもしれない。」
冨山さんの家で短い期間ではあったのかもしれないけど、もしかしたら何か分かるのかもしれない。
「冨山さんか…
ここ最近、何故か冨山さん俺に当たりが強いんだよな…
何か、気に障るようなことをしてしまったのだろうか…」
「別に、そんなことは無い。」
俺達の会話を、部屋の外で聞いていたのか大翔の話を遮り、冨山さんが中へ入って来た。
「いたなら、早く入って来ればよかったのに。」
「親密同士の会話に、俺が遮って入るわけにもいかないと思いまして…。
だけど、沙奈の話を深刻そうに話す御二方の姿を見たら…
すみません。」
「いや、いいんだよ。」
「それに、俺はあなたを嫌ってはいません。
ただ、あなたに沙奈を取られたような気がして少し悔しい気持ちが勝ってしまったんです…
1人の男として、沙奈を守りたいとあの父親へ沙奈を引き渡してからずっと考えていたので。
沙奈は、親戚の妹みたいに思っていましたが、沙奈がこの病院へ来て高校生になって再会した時、俺は妹としてではなく1人の女性として沙奈を見ていたので…。
でも、あなたの所へ引き渡す日が来るのであれば俺はまた沙奈を可愛い妹として沙奈の心配をさせてください。」
冨山さんと沙奈の間には、きっと俺や大翔に切る事の出来ない硬い絆で結ばれているのだろう。
それに、俺達の知らない沙奈の顔を知っていると思う。
「冨山さん、聞きたいことがあるんだけど。」
「何でしょう。」
「沙奈は、小さい頃この病院に来たことがあったのか?」
「……そうですね…」
大翔の質問に、冨山さんはいつもより更に険しい顔へと変わった。
「たしかに、沙奈は小さい頃1度だけこの病院にかかったことがありました。
沙奈は、3歳の頃急性骨髄性白血病を患ったことがあったので…
それから、3年の闘病生活の末病気を克服しました。
6歳の時、退院してそこから5年以内に再発がなければ完治と言っても良いと医者から言われてました。」
11歳の時か…
その歳は、俺と沙奈の出会った歳だよな…