妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カテリアーナは王族として生をうけた。いずれは政略結婚か、一生塔の中で生きるかの選択しかなかったのだ。

 いまさら恋愛にあこがれたりはしない。だが、フィンラスと一緒であれば何となく上手くやっていけるのではないかと思っている。

 パールの指導による妃教育は順調に進んでいく。妃教育の合間にウェディングドレスの採寸があったり、エルファーレンの貴族との謁見を受けたりと瞬く間に一ヶ月が過ぎた。

◇◇◇

 フィンラスの執務室に訪れたパールは主に座るよう促される。

「どうだ? カテリアーナの妃教育は?」
「順調ですよ。クローディア様から教育を受けただけあって、教養は教えることがないほどです。覚えも早いので教えがいがありますし」
「そうか。それは何よりだ」
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