妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 ロイが昼食を用意してくれた場所は、果樹園に建てられた四阿(あずまや)だった。

 カテリアーナがラストリアにいた頃にここへ通っていた時はなかったものだ。

「俺らの休憩所として作ったはずなのに、イアンのやつが凝り始めて、こんな佇まいになってしまったんですよ」

 ロイは隣にいるイアンを睨む。

「仕方ねえだろ! カティ、いや、カテリアーナ様の大切な場所だ。みすぼらしい小屋を建てるわけにはいかねえだろ」

 イアンはそっぽを向く。

「それにしてもイアンはいい腕をしているのね」

 四阿は木造で素朴な田園風景に馴染んでいる。造りを見れば、丁寧な仕事をしているのが分かった。

「俺はルゥナの森に流れてくるまでは、大工をしていたんだ」
「もしかして、ルゥナの森のツリーハウスもイアンが建てたの?」
「ああ。もっともあのツリーハウスは自然の木を利用して作ったから、この四阿ほど丁寧な仕事じゃないけどな」
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