妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 妖精は人間よりも戦闘力が劣ると言われているが、実は人間より力が強い種族もいるのだ。

 ケットシーがまさにそうなのだ。エルシーも例に漏れず、力が強い。眠っているカテリアーナを運ぶくらい朝飯前なのだ。

「いや。カテリアーナは俺が部屋に連れていく。エルシーは先に行って、支度をしてほしい」
「承知いたしました」

 一礼すると、エルシーは早足でカテリアーナの部屋に向かう。

「初デートはいかがでしたか?」

 カルスがによによとしている。フィンラスはカルスをじろりと睨む。

「デートと言えるかは分からぬが、カテリアーナが楽しかったと言っていた。俺はそれで十分だ」
「それは陛下も満足したということですね。何よりです」
「お前はもう仕事に戻れ、カル」

 フィンラスは後をついてくるカルスを追いやろうとする。

「私の仕事は陛下の補佐ですよ。陛下が無事執務室に戻るのを見届けるのが、今の仕事です」

 あくまでついてくるカルスに内心舌打ちをしながら、フィンラスはカテリアーナの部屋へと向かった。
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