妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~

3-1

 エルファーレン王国に社交シーズンがやってきた。

 そして、今夜は王宮で舞踏会が開かれるのだ。

 朝からエルシーに念入りに磨かれながら、カテリアーナはパールの教育を受けていた。

「今夜の舞踏会ではカテリアーナ様はフィンラス様とともに入場されることになります。玉座に着かれたらフィンラス様が開会の挨拶をなさいます。その後、一曲目のダンスをフィンラス様と踊ることになります」
「フィンラス様が玉座に着かれたら、わたくしはどこで待機すればいいのかしら?」

 今、カテリアーナは髪の手入れをしてもらっている。つまり、鏡台の前だ。

 鏡台越しにカテリアーナが訪ねると、鏡の中のパールはにっこりと微笑む。

「もちろん、フィンラス様の隣でございます」
「わたくしはまだ王妃ではないわ。婚約者に過ぎないのよ?」
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