妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カテリアーナは侍女がブランシュの噂をしていたことを思い出す。彼女はフィンラスの婚約者候補最有力だったと……。

「エインズワース公爵家は魔石の取れ高が最も高い領地を保有しているのですってね」
「回りくどい仰り方はなさならくても結構ですわ。わたくしがフィンラス陛下の婚約者候補であったことは気になさらなくてもよろしいのよ」

 ブランシュは公爵令嬢だけあって鋭い。可愛らしいだけの令嬢ではなく、頭の回転が速いのだ。カテリアーナの意図するところは察していた。

「気を悪くしたのであればごめんなさい」
「カテリアーナ様は王女であらせられるのに社交慣れしておりませんのね。普通王族は臣下に謝罪はしませんわ」
「あら。自分が悪いことをした時は謝罪するものよ。王族でも貴族でも平民でもそれは変わらないと思うわ」
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