妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~

1-3

 カリュオン王国の王都ラ・フィーネは高い樹木に囲まれた都市だ。

 直接王宮に向けてグリフォンが飛んで行ったので王都の様子が分からなかったが、木の上で背に翼がある男性がいるのをカテリアーナは見た。カリュオンの民はハーピィだ。きっとあの男性のように背に翼がある民が大勢住んでいるのだろう。時間があれば王都に遊びに行ってみたいとカテリアーナは思った。

 カリュオンの王宮は丸い鳥籠のような形をしていた。引き戸のように門が開かれ、グリフォンはそこを目掛けて飛んで行く。

 やがて王宮の庭に下り立つと、王宮から赤い髪をした女性が出てくる。顔立ちがパールに似ていたので、カテリアーナは彼女がカリュオン王国の女王サファイヤだと分かった。見かけはパール同様二十代後半くらいに見えるが、妖精は見かけどおりの年齢ではないとカテリアーナは身を持って知っている。
< 189 / 203 >

この作品をシェア

pagetop