妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 フィンラスとカテリアーナがいることに気づいたレイナードは再び腰を折る。

「これはエルファーレンのフィンラス国王陛下とカテリアーナ姫! 先日は……」
「挨拶は不要だ。其方もカリュオン王国に来ておったのか? レイナード」

 レイナードが堅苦しい口上を始める前にフィンラスから声をかける。

「はい。エルファーレン王国での商いは終わりましたので」

 カテリアーナはレイナードをこっそり観察する。後ろで一つにまとめている茶色の髪は柔らかそうだ。瞳の色は分からない。丸眼鏡の向こうは糸目なのだ。だが、顔立ちは整っている。

「そうか。ちょうどよい。今回は忙しくてカルヴァン商会の品を見損ねたからな。俺たちにも品を見せてほしい」
「それは願ってもないことでございます」

 エルファーレンでは話を聞く機会がなかったので、カテリアーナはいい機会だと思いレイナードに声をかける。

「レイナード様はオルヴァーレン帝国で商会を営んでいらっしゃるのですよね? オルヴァーレン帝国はどのようなところなのですか?」
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