妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カテリアーナもベンチに座ると、ノワールを撫でる。

「それでここに連れてきてくれたのはノワールでしょう? 待って! エルファーレン王国と言ったわね?」

 いかにラストリア王国とエルファーレン王国が隣国同士でも国境がある。

 塔の中からエルファーレン王国へいきなりつながる道があるはずがない。

「正確に言うと俺の力だけではない。その鍵のペンダントの力を借りて、ここまで道をつなげたのだ」

 ノワールがカテリアーナの胸元にかかっているペンダントを見やる。

「この鍵のペンダント? これは何なの?」
「そのペンダントに()まっている石は妖精石(エルフストーン)という」
妖精石(エルフストーン)?」
「人間の国にはないものだ。初めはクローディアが持たせたものかと思ったが……」

 妖精石(エルフストーン)についてノワールは説明を始める。妖精石(エルフストーン)は魔法の結晶であり、妖精の国の鉱山でしか採れない貴重な石だ。魔法を持たない人間の国では出回っていない。

 カテリアーナのペンダントに嵌まっている妖精石(エルフストーン)は『転移』の魔力を持っている石らしい。おかげでここまで道をつなげることができたとノワールは語る。
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