妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 青年の髪をカテリアーナは見やる。サイドの髪の一部がミミズクの羽角のように立っている部分があるからだ。

「カルの髪が珍しいか? 彼はケットシーとハーピィのハーフなのだ。そのせいで髪が羽角のように立っているらしいぞ」
「ハーピィ……ですか?」

 ハーピィとは鳥形の妖精のことだと、フィンラスは説明してくれる。

 カルは街道脇に立つ木の下に素早くふかふかの絨毯を敷き、ティーセットをセッティングした。

「申し遅れました。私は陛下の補佐をしておりますカルス・フェアフィールドと申します」
「初めまして。カテリアーナ・ラストリアです」

 セッティングを終えたカルスは、人懐っこい笑顔を浮かべるとカテリアーナに向き直り、紳士の礼をとる。カテリアーナも略式のカーテシーをし、挨拶を返す。

「敷物の上へどうぞ、カテリアーナ姫。ただいまお茶をお淹れいたします」

 フィンラスにエスコートされて、カテリアーナは敷物の上にあがる。
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