本能で恋をする
「え…?
亮くん?」
「彼氏、出張ってことはいないんだよね?」

「そう…だけど」
「だったら、このまま連れ去っていい?」
「え…?いい訳ないでしょ?
冗談はやめて!」
手を振りほどこうともがくが、びくともしない。

「冗談でこんなこと言わない!
本当後悔してるんだ。久しぶりに会ったあの日から。
なんで、えりぃを手離したのかって!
なぁ、彼氏が帰って来るまででいいから、俺のモノになってよ!」
そう言って、反対の手で私の頬に触れ撫でた。
亮くんの癖のようなものだ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
彼とは高校三年間付き合っていた。その時もことあるごとに私の頬や、頭に触れ撫でていた。
私はそれがとても安心できて、好きだった。
でも卒業式の時、大学でやりたいことがあるからと別れを切り出された。
もちろん出来るなら、傍にいて応援したかったが、構ってあげられないからと、頑なに拒否され結局私達は別れたのだ。
その時に約束した。その代わり次会ったときは普通の友達でいようと………

「亮くん……ずるいよ」
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