本能で恋をする
高校の時もそうだった。
えりぃとキスすると、いつもクラクラして狂わせられる。
えりぃにとって、俺は全てが初めての相手だ。
付き合ったのも、キスしたのも、抱かれたのも。
全て俺が教えた。
初めて、えりぃを抱いた日もしっかり鮮明に覚えている。
真っ赤な顔。恥ずかしがる表情。身体の柔らかさ。
声の甘さ。全て―――――




欲しい。えりぃの全て。




不意に、えりぃが力を抜いた―――
俺は口唇を離し
「えりぃ…?」

「好きにしていいよ!
その代わり早く終わらせて。早く、海斗のとこに帰らせて。海斗に抱き締めて、息ができない位のキスしてもらうんだから。

もう二度と亮くんと会わない。絶交よ」

俺も力が抜けた――――。
こんな時でもアイツか……。
えりぃにはもう、アイツしか………。

今やっと自分の愚かさに気づく。
「ごめん、ごめんな…えりぃ…。
ごめん……」
「亮くん……」


ガン、ガン、ガン―――――
バン!!!

*****木野 亮平side・終*****
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