王子と社長と元彼に迫られています!
───私と優悟は別れたし、私だって紬くんや暁さんと二人で出かけてる。でもあの女性(ひと)と付き合ってるんだったら、あの告白はなんだったの・・・?まさか、本当は紬くんと暁さんが実在するって知ってて───つまり、夢で起きたことは現実ってわかってて───イケメン達にアプローチされて浮かれてるアホな私をからかってるとか?私がチャラいことしてるから遊び相手にしちゃおうみたいな!?もしかしたら元々あの女性が本命彼女で、私はサブ彼女だったのかな?どう見たってあの女性の方が大切にしたくなるような女性だし・・・だから付き合ってる時も別れる時もあんなにあっさりだったの・・・?

しかし、優悟の告白はとてもじゃないが、気軽な遊び相手などとして私をキープしようとしているようには見えなかった。そもそもそんなことをする人ではないことはよくわかっているではないか。二股するとも思えない。

───でも、そういう人に限って、って言うよね
・・・ああ、余計気分が悪くなっちゃう。今はなんか別のこと考えたい・・・。

スマホを開くとしばらく開いていなかったSNSアプリに指が触れた。アカウントはあるが投稿はしておらず閲覧専門だった。

アプリが開いたのでタイムラインをスクロールしていくと柚香の投稿で指が止まる。彼女は料理やコスメや育てているお花の写真などをほぼ毎日投稿していた。一昨日の土曜日の投稿は同期の結婚式───私に告白してくれた後優悟が出席した───のものだった。投稿は10ページあって、新郎新婦の写真や料理、式場の写真の他に参列した人達を写したものがあった。

最後の写真を見た瞬間、胸がどくんっと震えて一層強い吐き気に襲われた。

新郎新婦を囲み楽しそうに談笑する人達───柚香のSNSにしばしば登場する会社の同僚達もいる───の端の方に見切れるようにして優悟と昨日の女性が腕を組んで仲睦まじげにしている姿が写っていたのだ───。
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