王子と社長と元彼に迫られています!
私の家の何倍も広い玄関、廊下というよりロビーと言った方が良さそうなスペースの正面にある扉を入ると、そこはリビングダイニングだった。ホワイトとダークブラウンを基調としたナチュラルで落ち着く空間だ。開かれた引き戸の向こうには和室がある。

ダイニングにはひとつひとつ違うおしゃれなマグカップが棚にディスプレイのように飾られている。『それは近くの雑貨屋で売ってるやつで好きなのを使っていいんだって。気に入ったらフロントでも買えるらしい。』私の視線をたどって優悟が説明してくれる。

「玄関入った右側にトイレ、左側に洗面所と内風呂がある。ドライヤーは洗面所の鏡の裏に入ってるけどすごい洒落たやつだよ。このダイニングの奥にキッチンがあるんだけど、電気が少し暗めなんだよな。冷蔵庫にウェルカムドリンクの水とお茶が入ってる。」

「・・・優悟、もしかして下見に来てくれた?」

「!?!?や、違・・・そのホームページ見てさ、マグカップの説明もあったし、ドライヤーの写真とか冷蔵庫の中の写真とかあったから・・・。」

「でも電気のことは・・・。」

「そ、それは・・・あ、泊まった人の口コミを見たんだよ・・・ほら、2階も行こう。どんな部屋か楽しみだな。」

優悟はかなり慌てた様子で私の手を引いて2階へと続く階段を登った。階段の壁にはドライフラワーなどが飾られている。


「うわぁ・・・。」

2階は洗面所とトイレ以外のスペースが全て寝室として使われていた。お洒落な間接照明やたくさんのランプ、グリーン、天蓋つきの大きなローベッド、窓辺には小上がりがある。

「あの小上がりの畳は換えたばかりらしくていい香りだった。この部屋にもそこに冷蔵庫あるし、音楽かけられたりとか、アロマグッズとかも置いてあるんだ・・・っていうのも口コミにあったんだけど。」

「すごいね・・・。」

「それで・・・テラスもあるんだ。開けてみて。」

そう言われてカーテンを開け、思わず息を呑んだ。
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