王子と社長と元彼に迫られています!
「だめ、やめて、恥ずかしい・・・。」

「そんなにシャワー浴びてからがいいなら、俺が洗ってやる。最初から最後まで全部俺がやるから千咲は何もしないで。」

優悟はそう言って立ち上がると手に泡で出てくるタイプのボディソープをつけて私の体を洗い始めた。彼の手が触れた部分がにわかに熱を持つ。

───なんで?相手は3年も付き合った人なのに、お風呂に一緒に入ったことはないけど何度も体を重ねているのに、なんでこんなにドキドキするの?

全身を一通り洗うと優悟は私の上半身と下半身に片方ずつ手を伸ばして熱心に洗っている。

「・・・ち、ちょっと!そことそこ、念入りに洗い過ぎじゃない?」

───それに、鏡の目の前なんだけど・・・。

狭くて明るい浴室で敏感なところに触れられている自分の姿はとても直視できるものではない。

「・・・今はもう洗ってるわけじゃないし。」

「あ、洗ってるんじゃないんだったら・・・え、その、まさか?あっ・・・と、ちょっと待って!・・・っ!」

その言葉を遮るようにザッとシャワーを浴びせられて泡を流される。ごそごそする気配がして優悟が後ろから密着してくる。

「王子と社長にも今までの俺にも見せてなかった顔見たいし、誰にも聞かせてなかった声聞かせて?ここなら明るくてよく見えるし、声もよく響くから。」

心ではそんなの恥ずかしくて嫌だと思っているのに私の体は全く抵抗しなかった。そしてそのまま私達は一つになった。鏡に映る自分の顔を見るのが恥ずかしくて目をつぶると、普段太い声の私の自分でも聞いたことのない甲高い声と何の音だかわからない、いや、わかりたくない音が耳に響く。こんな音がするのはお風呂だからだ。そうに違いない。

「・・・もし、誰かに夢で今の俺達を見られたらどうする?」

「・・・っ!?」

今まで体を重ねている最中に私も声を出したりしなかったけれど、優悟も必要最低限しか言葉を発しなかった。それなのに今日は何度も『可愛い。』とか『好きだ。』などの甘い言葉やこういう意地悪な言葉をこれでもかと浴びせてくる。それらは優悟の下半身や手、唇や舌の動きと相まって私をどんどん高みに押し上げていった。
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