王子と社長と元彼に迫られています!
「オルゴールとかどうでしょうか?しかも、カメラマンの動画の間に自分で撮った映像を入れ込むことが出来たらいいなと思って。」

「何それ、気になる!詳しく説明してみて。」

三原さんが身を乗り出す。彼はとても好奇心が旺盛な人だった。

「例えば沖縄に家族旅行に行ったとしますよね。沖縄の民謡が流れるオルゴールを開けると蓋の裏についた画面に沖縄の海や観光地の映像───お客様が選んだもの───の動画が流れるようになっているんですが、注文時に家族が映っているホームビデオの映像をアップロードしてもらって、カメラマンの動画と動画の間とか最後とかに入れ込むことが出来るというものです。それから、オルゴールは小物入れにもなっていて、海で拾った貝殻を入れたり・・・観光地でアクセサリーを手作りしたりするじゃないですか?そういうのを入れたりとか・・・。」

「素敵!『思い出ボックス』ってことね。」

本庄さんが嬉しそうに微笑んでくれる。彼女はいつも穏やかで優しい女性だった。

「オルゴールという形にするかは今後考えるとして、ホームビデオの映像を入れ込むサービスっていうのはすごくいいから、これはすぐに取り入れたいね。企業に映像を販売するサイトとの差別化も図れるし。」

南さんが楽しそうに言うと三原さんも『鈴丘さんすごいじゃん!』とピースサインをしてくれて、皆で笑顔になった。

こんなに和気あいあいと楽しく仕事が出来るようになるなんて前の仕事の時は思いもしなかったなと思った。
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