受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
(拒絶するのは簡単。あれでもジョージは馬鹿じゃないもの。私が本気で拒否したら、もう来ない。二度と。永遠に)

「それはそれで、寂しいわね」

 結局のところ、レーヴはジョージと仲直りするしかないのだ。レーヴの中に、ジョージと縁を切るという選択肢がないのなら。
 となれば、することは決まっている。

「ジョージに、会わなくちゃ」

 だけど、できるのだろうか。
 反射的に逃げてしまうのに、どうやって?

 ふと、デュークの顔が頭に浮かぶ。
 無性に、会いたくてたまらない。こんな時こそ、デュークにそばにいてもらいたかった。

「時間があると思い出したり……だっけ?」

 デュークがレーヴに抱く気持ちの話だったが、レーヴにも覚えがある。
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