受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
「責任取りなさいな」

(うん、意味がわからない!)

 なんとなく察せなくもないが、信じられないというか、信じたくない。
 まさか自分じゃないよね、とレーヴは指を避けるようにスススッと席を移動してみたが、指は彼女に照準を合わせたままだ。

 首を傾げて静止すること数秒。
 レーヴは上官向けの爽やかな笑みを浮かべて、こう言った。

「私、ブスなんですけど」

 だから魔獣に好かれるはずがない、と彼女は言った。
 潔すぎる告白に、マリーから笑い声が漏れる。
 それから彼女は有無を言わせぬ艶やかな表情を浮かべると、にっこりと微笑んだ。

「大丈夫、相手は美形ですから」

 レーヴの反論は受け付けないとばかりに、マリーは続ける。
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