受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
 ふとしたことで彼との触れ合いを思い出してしまうのは、離れていた反動だろうか。
 それだけデュークのことが恋しかったと言っているようで、なんだか気恥ずかしい。

(まるで欲求不満じゃない)

 いつからレーヴは、こんなにふしだらになってしまったのだろう。
 レーヴはエカチェリーナに「デュークが馬の姿でも好き」と告げた。その気持ちは本物だけれど、どこかでそれだけじゃ物足りないと思っている自分がいた。

 手を繋ぎたいし、ハグしたい。それ以上だって──もちろん初めてだから怖いけれど──してみたいと思っている。

(私って、思っていたよりほしがりなのね……?)
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