受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
「そうか。僕の名前は、デューク・オロバス。魔獣保護団体に属している」
デューク・オロバス。
初めて聞く彼のフルネームに、レーヴは弾かれたようにデュークを仰ぎ見た。
目をまん丸にして見てくるレーヴにそっと目配せをして、デュークは紳士らしく握手のための手を差し出す。
「レーヴさんには縁あって仲良くしてもらっている。今後は君とも会うことがあるかもしれない。これから、よろしく」
差し出された手を、ジョージは握り返した。
レーヴの前で、二人の男がかたく握手を交わし合う。力強く、ギリギリと音がするほどに。
まさか水面下で子供っぽい争いが勃発しているとも知らず、レーヴはデュークの大人の対応にうっとりしていた。
ふと視線を感じてジョージの背後を見れば、女性たちが臨戦態勢に入っている。
狙いはもちろん、デュークだろう。
子どもっぽく楯突いているジョージをあしらう包容力、そして美貌。魔王のような凍てつく威厳と堕天使のような妖艶さを兼ねそろえた彼に、肉食令嬢たちもおいそれと近づけないらしい。
キャアキャア言いながら遠巻きに見ている女性たちに気づいたジョージが、憎々しげに舌打ちをした。
デューク・オロバス。
初めて聞く彼のフルネームに、レーヴは弾かれたようにデュークを仰ぎ見た。
目をまん丸にして見てくるレーヴにそっと目配せをして、デュークは紳士らしく握手のための手を差し出す。
「レーヴさんには縁あって仲良くしてもらっている。今後は君とも会うことがあるかもしれない。これから、よろしく」
差し出された手を、ジョージは握り返した。
レーヴの前で、二人の男がかたく握手を交わし合う。力強く、ギリギリと音がするほどに。
まさか水面下で子供っぽい争いが勃発しているとも知らず、レーヴはデュークの大人の対応にうっとりしていた。
ふと視線を感じてジョージの背後を見れば、女性たちが臨戦態勢に入っている。
狙いはもちろん、デュークだろう。
子どもっぽく楯突いているジョージをあしらう包容力、そして美貌。魔王のような凍てつく威厳と堕天使のような妖艶さを兼ねそろえた彼に、肉食令嬢たちもおいそれと近づけないらしい。
キャアキャア言いながら遠巻きに見ている女性たちに気づいたジョージが、憎々しげに舌打ちをした。