ほろ苦彼氏の甘い口づけ
しかし、お互い食べたことがないとなると、これはかなり勝負に出る行動。

どちらかが失敗する可能性も、両者ともに大失敗する可能性も大いにある。



「食べきれなかったらごめんね」

「ううん。別に無理して全部食べなきゃいけないわけじゃないし。今日は夕方まで親帰ってこないからゆっくり食べよう」



ハイリスクハイリターンだけれど、今日は世界中の人達が覚悟を決める日。

今だって、地球のどこかで、一世一代の大勝負に出ている人がいるかもしれない。


挑戦なしに勝利は掴めないんだ。当たって砕けてもいいやくらいの強い気持ちでいこう。


荷物を下ろしてキッチンに移動し、パーティーの準備に取りかかった。



────
──



「司〜、これすごく美味しいね〜!」

「うん。そうだね。のど乾いてない? お茶持ってこようか」

「ううん! まだあるから平気だよ〜!」



パーティー開始から1時間。

ガトーショコラを中心にお菓子を食べまくった私は、ウイスキーボンボンを味わっていた。
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