マリアちゃんと鬼ごっこ


「と、とりあえず日高先生のこと呼んでくる!」

いち早く教室のドアに手をかけたのは、同じ二軍であり学級委員でもある矢野(やの)正子(まさこ)だった。

矢野に続くようにバタバタと友達の浜口(はまぐち)静香(しずか)井上(いのうえ)麻理香(まりか)も廊下へと出ていく。

中立な立場にいるほとんどの二軍は動かず、三軍は不安そうに眉を寄せて、一軍は相変わらずふざけていた。

「ねえ、みんな聞いて! なんかおかしいよ。だ、誰もいないのっ」

暫くして、矢野たちの足音が教室に戻ってきた。その顔はひどく焦っていた。

みんな『そんなわけないだろ~』とひとり、ふたりと半信半疑で確認しにいく。俺と三花と凛太郎も付いていった。

たしかに矢野たちが言ってることは本当だった。

各階の教室に誰もいないどころか、音楽室、美術室、科学実験室、図書室、職員室、保健室と学校にある全ての部屋を見に行ったけどB組以外の生徒は誰もいなかった。

「昇降口にも私たちの靴しかなかったよ……」

三花の顔色がみるみる悪くなっていた。

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