Livre magie〜信じる心〜
玄関のドアの前まで来た時、やっぱり外に出て行ったんだと胸が痛くなる。暗い中外に出て怪我をしていないといいんだけど。

そう心配しながらドアを僕が開けると、耳に入ってきたのはエリカたちの楽しそうな声だった。

「カズがいなくなったの、知らないのかも!」

みんなにも協力して探してもらおう、そう思って走り出すと、目の前に見えた光景に驚いたしまった。

あのカズが、リオンとメルキュール、そしてエリカと楽しそうに散歩をしている。昨日はあれだけ敵視してきたのに……。リオンの言葉が響いたのかな……。

ポカンとしている僕に気付いたのか、エリカが「先生、おはようございます!」と笑いかけてくる。その笑顔にドキッとしつつ、僕は「カズがいなかったから心配してたんだ」と言った。

「リビングにいたら、カズが急に入ってきたんだ。ノワールは寝ていたし、起こすのもアレだったから……」

リオンがそう言い、メルキュールも「カズはもう元気そのものだよ。眠ったら力もしっかり回復しているみたいだし」と笑う。僕がカズを見ると、カズは頬を赤く染めて俯いた。うん、元気になったみたいだ。
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