本能で恋をする~after story~
それから一週間、必死に頑張った。
海斗に会えないのは、ほんとに辛かったが、毎日海斗にメールをしてなんとか頑張れた。
電話しなかったのは、声を聞くと会いたくなって、気持ちが溢れると思ったから。

他のホステスさんも、みんな事情を理解してくれてて、フォローしてくれながら、最終日を迎えた。

「葵さん、申し訳ないんですが、どうしても葵さんを指名したいと聞かないお客様がいて………」
「え…?私ヘルプだし、指名はできないんじゃ……。一平さんはなんて?」
「実はボスは今急な電話で、手が離せないんです。ママも今他のお客様の接客で忙しくて……」
「え……でも。私今日でこの仕事終わりですよ」
「わかってます。その事もちゃんと伝えたんですが、今だけだからと……」

どうしよう?
どうすれば…………


「おい!まだかよ!待ってんだけど!!」

「あ、申し訳ありません。小野様」
「あ、君、葵ちゃんでしょ?こっち来てよ!話、しよ!」

グッと腕を掴まれた。
「あ、あの……」
怖い………
言葉にできない、言い様のない恐怖が胸の中をいっぱいにする。

でもここで、トラブルは……。
私はそのまま小野様に引かれ、VIP席についた。
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