本能で恋をする~after story~
バカップルの日常・~海斗の独占~
やっといつもの生活に戻った時だった――――――

コンコン―――

「失礼します。海斗社長、お客様がいらっしゃってます」
「え?俺?誰?」
今日、来客予定あったか?

「はい。小野様とゆう方がいらっしゃってます」

は?小野?
小野ってまさか!


バン―――――

「勝良!?
やっぱ勝良じゃん!!やっと見つけた!!」

「小野。なんで?」
「ちょっ…小野様勝手に入られては困ります」

「紺野、もういいから。
小野を応接室に案内して!」
「かしこまりました」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「勝良、俺と勝負しろよ!」
「は?意味わかんねぇよ!」
「お前さぁ、あんな悪ばっかしといて、今は社長様かよ!!まぁ、俺もだけど!!」

「は?」
「俺も会社経営しててさ。まぁ、お前とは違う分野だけど!!」
「へぇー。で?」
「だ、か、ら!勝負だよ。タイマン!」
「イヤだよ。嫁に嫌われる」

「あー。
勝良 凛音ちゃんだっけ?」
「お前!?なんで、知って……」
「やっぱり、気付いてなかったんだな!お前がジュリエットで葵ちゃん…いや、凛音ちゃん連れ去った時の客、俺だよ!」

は――――?

「お前が、あの時凛音を―――――」
あのあと、君加と一平さんが謝ってくれ、事情を全て聞いた。
でも一平さんはなるべく凛音に客が付かないように、気を配ってくれていたらしいし、送り迎えもきちんとして、俺の代わりに凛音を守ってくれた。
だから、二人を責めるつもりはもうない。

だか、一平さんの最後の言葉が引っ掛かっていた。

【でも、凛音ちゃんはスゴいな。最初はかなり震えていたのに、だんだん慣れて色んな客と上手に会話してたぞ。凛音ちゃんを指名したいって、かなり言われたってママが言ってたし!
まぁ、ヘルプだから無理だが!
最後に接客してた客なんて、しばらくしつこく凛音ちゃんの連絡先教えろって言われたって、ママから泣きつかれたし。
あ、でも、もちろん教えてないぞ!
ママも他の従業員もその辺はちゃんと理解してくれているから。】

しつこく聞いてきた客って、コイツか――――――
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