本能で恋をする~after story~
「あとお前って、独占欲凄いのな!」
「は?」
「キスマークだよ!」
「あ?」
少しずつ、頭に血が上っていく。


「首の後ろだよ!
あっこってさ、凛音ちゃんからは見えないよな?
ってことは、背中とか凄いの?」

―――――ガンッ
俺は目の前のテーブルを、力いっぱい蹴った。

「おっ、ヤル気になった?いいじゃん、いいじゃん!タイマンしようぜ!」

「俺は、お前と喧嘩なんかしねぇーよ!わかったら、早く出ていけ!」
静かに、でも怒りを含んだように小野に言った。
「わかったよ…じゃあ今からコーヒーでも飲んで帰るか!」

「……」

「お前知ってる?“vacation”ってカフェに超可愛い店員いるって!」
「―――!」
「じゃあな!」


「ちょっと待てよ……。わかったよ…」
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