本能で恋をする~after story~
バカップルの嫉妬・凛音side
海斗は自分自身の気持ちをストレートにぶつけてくる。
こっちが恥ずかしくなる位。
そして、かなりの寂しがり屋だ。


「ねぇ、海斗。危ないから、離れてて!
火使ってるんだよ」
「えー、やだ。今日はなんか寂しいから」

私は海斗に後ろから抱き締められながら、調理している。
「でも、火傷したらどうするの?私だって火傷、嫌だし」
「あ、そうだね。凛音が火傷するのは、嫌だな。じゃあ、そこで見てる」
そう言って、今度はカウンターからじっと見るのだ。



海斗は基本的に二人でいる時は、私から離れず、私が離れるのも嫌がる。
ソファーで、まったり中。
私の好きなドラマがあり見入ってると、私の髪で遊びだすのだ。
たぶん私が海斗ではなく、TVに興味を示してるからだろう。
「海斗、今良いところなの。集中させて!」
「は?やだよ!俺を見てほしくて、わざとにしてるんだから」
ほらね。やっぱりそうだ。


ソファーから立つと、
「凛音、どこ行くの?」
と、手を引っ張る。
「トイレだよ」
「あ、そうか。行ってらっしゃい」

さすがにトイレには着いて来ないが、トイレ以外だと、
「凛音、どこ行くの?」
「きみちゃんに電話するの。女同士の話だから、部屋行ってくるね」
「は?ダメだよ。ここで、電話しなよ!つーか、部屋行っても着いていく!」
と、言うのだ。

その事をきみちゃんに話すと、
『はぁ?ウザイ!!!
ちょっと海斗に代わって!私が言う』
「はい。もしもし―――――は?やだよ!絶、対っい、や!!!!だいたい、俺がいる時に電話する、君加が悪い!
わかったら、切るよ!」
え?電話を切る?
「あ、ダメ!!海斗!代わって!!」
とスマホを奪おうとするが、海斗の頭の上に高く上げられて、取れない。


結局次の日、海斗が仕事に行ってるときに再度電話し、かなり怒られたのは言うまでもない。
でも、海斗の性格をちゃんとわかってくれてて、結局きみちゃんも最後は許してくれるが。

この一年で海斗はきみちゃんこことを、“君加さん”から“君加”になり(敬語も使わなくなった)、きみちゃんは“海斗くん”から“海斗”呼びに変わった。
さすがにきみちゃんの旦那さんの一平さんは、“一平さん”呼びのままだが。
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