本能で恋をする~after story~
バカップルの嫉妬・海斗side
凛音は泣き虫だ。
本人はいい年して……と言うが、俺にとっては可愛い。

だから時々苛めてしまう。


この前も会社で女子社員に貰ったお菓子を、わざとに凛音に見えるように置いた。
凛音にヤキモチ妬かせたくて……
「海斗、これ何?お菓子??」
「うん。会社の子に貰ったんだよ。でもあんま食べないから持って帰ってきた」

「……そう、なんだ。あれ?これ手紙…?」
カサッ―――
「え…?これ……」
みるみる内に、涙目になる凛音。
可愛い………。今すぐにでも抱き締めて、キスして、ベットに連れていきたい。でも……もっと泣かせたい。

「あ、手紙入ってたんだ。見せて」
わざとそう言うと。
「イヤ!!」
と手紙を後ろ手に隠した。
俺を見上げる凛音の目が、潤んでいて益々俺の理性を荒らす。

「でも、ちゃんと返事しないといけないじゃん!手紙貸して!」
手の平を出し、優しく言うと、
「別に見なくていいでしょ?ただ、海斗がお菓子くれた子に、今度からはお菓子いらないよって言ってくれればいいんだよ」

もっと泣いて、その可愛い顔見せて―――

凛音は、渡す気ないらしい。
別に手紙なんかいらないし、凛音の好きにして全然構わないのだか、なにせ俺はヤキモチを妬かせたいと思っている。
「そうだけど、ちゃんと確認はしないと相手に失礼でしょ?子どもじゃないんだから、我が儘言わないの!」
と言うと、
ボン―――
俺の胸に手紙を突き付けて、
「もういい!」
そう言って部屋に籠ってしまった。
< 19 / 126 >

この作品をシェア

pagetop