本能で恋をする~after story~
「ヤバい、チョー可愛い!なんだよ、この可愛さ!」
「おーい、どうしたんだよ、一宮?」
「奥さん、ヤバいんだよ!可愛すぎ!奥さん、こっち出て来て下さいよ!」
「え?いや、あの……」
そう言って、凛音の手を軽く引っ張る一宮。

ヤバい、ヤバい、うるさいんだよ!
てか、凛音に触るな!!

一気にみんなが凛音に釘付けになり、囲まれた。

「めちゃくちゃ可愛い!」
「社長と別れて、俺と付き合ってくんないかな?」
「これで、年上だろ?タメにしか見えねぇ!」




もういい!
みんなにどう思われても、凛音に怒られても、今すぐホテルに連れて帰る!

とにかく、連れ帰ろうと凛音のとこに行こうとすると
「ちょっと待て、海斗!」
と叶斗に止められた。

「なんだよ、離せよ!」
「シラケさせるなって言ったでしょ?今だけは大目に見てやってよ!」
「そうですよ。今のうちに見せつけておかないと……」
「は?紺野まで何言ってんだよ!
それにお前だろ!?凛音にあんな格好させたの!」

「はい」
「なんでだよ!」
「似合ってるでしょ?
海斗社長はお嫌いですか?」
「似合ってる。似合いすぎてる。だから、嫌なんだよ!」
「だからです!」

は?意味がわからない。紺野が何を言いたいのか。

「海斗社長わかってますか?あの子達のこと!」
そう言って紺野が見た方向に、若い女子社員連中がいる。アイツ等はよくおれに絡んでくるのだ。
以前お菓子をくれたのも、あの中の一人だ。

「あぁ、じゃあアイツ等に見せつける為?」
「そうだよ!だから、僕も紺野さんに聞いて、凛音ちゃんを誘うように言ったんだよ」
「私はこれでも、凛音さんを気にいってます。このまま仲良くなりたいなって!だから、嫌なんです。あの子達が。あからさまでしょ?」

そうゆうことだったのか!

「でも、あの格好はないだろ?」
「あー、あれは。海斗社長好きかなって!」

紺野、お前―――――

よくわかってんじゃん!
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