本能で恋をする~after story~
「お前、凛音に余計なこと聞かせるなよ!
それ以上余計なこと言ったら、マジで殺るよ!」
「わかったよ……つうか、怖ぇよ」
「それにしても、ななが……」
「あぁ、ななって結構美形だからよく男が寄って来てたじゃん!大学でも社会人になってもモテてたらしくて、言い寄ってくる奴にお前の名前出して思い通りにさせてたみたいだぜ!
で、金持ってる奴とかに媚うったり」
「アイツまだ、そんなことやってのかよ!」


「あ。そうそう。ちょうど良かった!今度久しぶりに仲間で会おうって言ってたんだ。ウミも来いよ!
奥さん連れて来ていいし!」
「は?凛音はダメ!絶、対ダメ!!!
でも、俺も久しぶりにみんなに会いたいな!」

そのまま連絡先を、交換し別れた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ただいまー。あー重かったぁ!って殆ど海斗が持ってくれたけど(笑)」
「当たり前だろ!?
凛音に持たせるとかあり得ない!」

夕食の準備をしながら、凛音が
「さっきの、なな…さん?って元カノ?」
「え?あ、まぁな。でもあんまいい思い出ないけど…」
俺は、いつものように凛音にくっついている。

「そうなんだ。どんな人だったの?」
「凛音聞きたいの?
俺は嫌だけどな……凛音の元カレ話なんて、死んでも!」
「聞きたいって訳でもないけど、気になる」
「へぇー、聞きたいんだ。あんなことや、こんなことを」
凛音の米を研いでいた手が止まる。

「え…?やっぱ嫌だ!」
「いいよ?教えてやる!ななって結構美人でぇー、人気者でぇー、それから――――」

バン――――
「もうやめて!!」
凛音が耳を塞ぎ、頭を振る。
「あ、ごめん!ごめんな……。もう言わないから…。ごめん、調子に乗り過ぎた!」
後ろから抱き締めてた腕を、強める。

「じゃあ、私も亮くんの話聞かせてあげる!」
亮くんとは、凛音が高校の時の元カレだ。凛音にとって全てが初めての男。コイツは一度俺から凛音を奪おうとした奴だ。

「は?凛音、今からむちゃくちゃに犯されたいの…?」
「え……あ、言わない!言わないよ!」
「ふーん。いいよ?聞かせて!その代わり、わかるよね?
凛音ちゃん、今日寝れるかなぁ~?」

「え……海斗…怖い……。
言わないから、許して!」
凛音が、涙目になる。
可愛い。
可愛いから、許すか!

「そうゆうところ、なんか亮くんに似てる!」

「は?今なんて?」
「え…、う、ううん。何もないよ!」

「凛音。やっぱり今日寝かせないから!」


今晩どうなったかは、言うまでもない―――――
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