本能で恋をする~after story~
*****なな side*****
ガチャ――――
薄暗い家に入る。
こんなボロアパート見られたら、私のプライドが………

お金がないわけではない。
給料は、服やバッグ、アクセサリーに消えていくからだ。
それにただ寝るだけの空間があればいいから、なんとも思わない。
が、他人には知られたくない。


海斗の言われたことは、かなり私の心に刺さった。
現に今年入ってきた、新人がとても可愛く今まで私が他の社員の中心だったのに、あっという間に中心を取られたのだ。
たった一歳……たったの一歳しか変わらないのに、その新人が若くて可愛いと言われてチヤホヤされているのだ。

こんなことは初めてだった。
過去こんな風に、中心から外れたことはない。
いつも私が輪の中心にいて、チヤホヤされ、高校の時は海斗が彼氏だったのもあり、海斗の彼女ってだけで、誰にも何も言われなかった。
海斗と別れ大学生になっても、いつも私の周りに男がいて誰かしらが、助けてくれていた。
それに不味いことに巻き込まれそうになったら、海斗の名前を出し、その場をしのいでいた。
海斗の名前はかなりのインパクトで、名前を聞くだけでみんな恐れるのだ。

それにしても、海斗かなりカッコよくなってたな。
ただ、結婚してるのは意外だった。

「チッ。せっかく海斗のお嫁さんになって、セレブ生活をしようと思ってたのに!
でも叶斗さんでもいいか。どっちにしても社長には変わりないし」
海斗がお父さんの会社を継ぐのは知ったいた。
だから、今日無理矢理飲み会に参加したのに。
まぁ、いいや!とにかく叶斗さん口説くか!!

*****なな side・終*****
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