都合のいい女になるはずが溺愛されてます
返答に困る。嫌悪感が表情に出ていたのは分かっているから。


「そうですね」

「あは、オブラートに包まないところ好き」


嘘をつかないで肯定したら歯を見せて笑う。
だけど見え透いた愛想笑いのせいで佐久間の言う『好き』が真っ赤な嘘だと分かった。


「ねえ、単純な疑問。女ってなんで1回抱かれただけで彼女ヅラすんの?」


徐々に近づいてきながら質問してきた佐久間。
それは遠回しに『お前は彼女面するなよ』と釘を刺してる?


「……男性は快楽のためですけど、女性は抱かれることで愛されていると実感したいそうです」

「ふぅん」

「だから佐久間さんに抱かれて『愛されてる』って勘違いしたのでは?」


佐久間の顔が見れなくて畳の目を数えながら口だけ動かす。


「仁奈も?」


しかし、耳を疑う質問に顔を上げた。
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