都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「頼もしいです!ありがとうございます」

「おいおい、浮気はしねーって。なんで仁奈も俺がビンタされる前提なわけ?」


悪ノリしたらさすがの佐久間も黙ってはいない。


「ごめんなさい、別に疑ってはないですよ」

「……腹立つ顔でニヤニヤしやがって」


口調は怒ってるみたいだけど顔はちょっとニヤけてる。


「ふふ、幸せにね」

「え、急に何」

「たぶん陸は仁奈ちゃんを逃しちゃったら二度と結婚しないだろうなって」

「そう思って前倒しでプロポーズしたの。来年に結婚したいって話してたけど、来年まで待つ必要なくね?と思って」

「うんうん、そういう勢いって大事〜。
……あ、結婚式っていつするの?その日はお店空けるから早めに言ってほしい」

「最短で半年後かな。ね、仁奈」

「あ、うん……」


前倒しでプロポーズとか、式は半年後とか、佐久間の考えをお姉さんとの会話を通じて知ってなんだかちょっと恥ずかしい。
それでいて、私の想いと同じくらい好かれてるんだって思うと嬉しくて勝手に口がゆるむ。

佐久間のことをいろいろ聞くつもりだったけど結局、改めて好きだなって思い知らされた。





fin
< 230 / 263 >

この作品をシェア

pagetop