身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
クラリッサとの勉強の時間もなくなり、私のやることは本当になにもない。


「暇だなあ……」


イリアムの王城には、婚儀に向けて交流のある遠方の国々から、要人が到着しつつある。というのは、ポリーから聞いた情報だ。
おめでたいことだからと、なんとなく城内の侍女達も浮き足立っているし、部屋を出れば準備の慌ただしさを感じる。


一応、主役となるはずの私だけど、正式なお披露目は婚儀の場でということで、それまでは要人のお出迎えはもとより、挨拶回りをすることもない。

それが普通のことなのかどうか、私にはわからない。けれど、おそらくイアンが手を回しているのだと思う。
病み上がりだとかなんとか理由をつけて、表に出さないようにって。


ハリボテ状態でしかない、ニセモノの王女の私が公の場に出て、万が一ボロを出したらサンザラの恥。イリアムにも迷惑をかけてしまいかねない。


それに、外見は瓜二つでも、本物のソフィア王女様とは中身が違う。客人にその違和感を感じさせないよう、人と対面する機会を少しでも潰しているのだろう。そこでのやりとりなんて、本人に伝えきれないし。
考えてみれば、陛下や王妃様ですら、数えるほどしか顔を合わせていないもの。




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