今さら本物の聖女といわれてももう遅い!妹に全てを奪われたので、隣国で自由に生きます
そこで、アリアス殿下が言葉を引き継いだ。ハッとする。
「だけど来て良かった。まさかこんな面白いものを見せてくれるなんて」
「あの………お言葉ですが、面白いものとは………」
「きみのことだよ、ミレルダ・シェイラン。僕はきみが気に入った。だから………僕の恋人になってくれないかな」
「…………………はい?」
私はたっぷり間をあけてから言葉を返した。こちらを見るアリアス殿下の瞳はいたずらっぽく輝いていた。淡い空の色を溶かしこんだような瞳に見られて、私は息を飲む。太陽の光を反射した湖面のような色合いでもあった。
「ちょうど、きみのような人を探していたんだ。ここに来ていた用事は違ったけど───いい掘り出し物に出会えた。ねぇ、僕の恋人になってよ」
「ちょ………ちょっと、待ってください!どういうことですか?なぜ、私が殿下の恋人になど───」
というより、もう二度と王族貴族のそういうものには巻き込まれたくない。思わず私が言うと、殿下がにこりと微笑んだ。口端に笑みを乗せて、王族特有の余裕さを伺わせながら言う。
───そう言えば、マクシミリアン殿下にはこういった王族らしいオーラとか、そういうものが一切なかったわね…………
これはアリアス殿下が生まれ持つ生まれながらの才なのだろうか。それともマクシミリアン殿下がただ単純に王族としての義務とか責務とか、そういうのを放放棄した結果のあれなのだろうか。
恐らく、どちらも正解なのだろうけど。
「契約だよ。僕と恋人契約をしてほしい」
「恋人………契約?」
「だけど来て良かった。まさかこんな面白いものを見せてくれるなんて」
「あの………お言葉ですが、面白いものとは………」
「きみのことだよ、ミレルダ・シェイラン。僕はきみが気に入った。だから………僕の恋人になってくれないかな」
「…………………はい?」
私はたっぷり間をあけてから言葉を返した。こちらを見るアリアス殿下の瞳はいたずらっぽく輝いていた。淡い空の色を溶かしこんだような瞳に見られて、私は息を飲む。太陽の光を反射した湖面のような色合いでもあった。
「ちょうど、きみのような人を探していたんだ。ここに来ていた用事は違ったけど───いい掘り出し物に出会えた。ねぇ、僕の恋人になってよ」
「ちょ………ちょっと、待ってください!どういうことですか?なぜ、私が殿下の恋人になど───」
というより、もう二度と王族貴族のそういうものには巻き込まれたくない。思わず私が言うと、殿下がにこりと微笑んだ。口端に笑みを乗せて、王族特有の余裕さを伺わせながら言う。
───そう言えば、マクシミリアン殿下にはこういった王族らしいオーラとか、そういうものが一切なかったわね…………
これはアリアス殿下が生まれ持つ生まれながらの才なのだろうか。それともマクシミリアン殿下がただ単純に王族としての義務とか責務とか、そういうのを放放棄した結果のあれなのだろうか。
恐らく、どちらも正解なのだろうけど。
「契約だよ。僕と恋人契約をしてほしい」
「恋人………契約?」