愛され、溶かされ、壊される
シャワーを終え、戻ると―――――

ガチャ――――
「竜くん、お先にいただきました」
…って、スゴッ!
ものすごく広いリビングだった。
家具もシンプルだけど、お洒落だ。
「素敵な部屋だね……凄い…」
「そうかな?じゃあ僕もシャワー浴びてくるから、ちょっと待っててね!」

頭をポンポンと撫でて、リビングを出て行った。
「ほんと素敵!でもなんか……」
寂しい―――――
部屋が広いからかな?

とりあえず、ソファーに座ってみる。
なんかちょっと緊張する――――
立ち上がる。また座るを繰り返し、今度はソファーの周りをうろうろしていると、ソファーの背もたれに竜くんのジャケットが掛かってるのが見えた。引き寄せられるように、そのジャケットを取り―――
「竜くんの匂いがする」
この匂い、安心する。
…って、私変態だ!

「何してるのかなぁー?」
「へ?」
いつの間にか来ていた竜くんに、後ろから抱き締められた。
「何してたの?僕のジャケットで」
「いや、あの、その…」
挙動不審になってしまい、逆に怪しい人に………
「あおちゃん、僕と同じ匂いがする」
「あ、竜くんのシャンプーとか使わせてもらったから」
「なんだか嬉しいな……」

「……」
「……」
「あおちゃん、そろそろ出なきゃね!仕事遅れるよ」
「う、うん。そうだね」
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