潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
「えっと、あのー……。私も27歳ですし……。そんな風に思ってくれる人なんていませんから」
「ま、色気のない女にそんな感情湧かねぇけどな」

はぁ? 今、色気の無い女って聞こえたんですけど。
顔をしかめた舞は、目の前の男を睨み付ける。

明日管理会社にそれとなく辞めてもらうように言おうと思っていたが、直接文句を言わないと気がすまない。

「あなたが私のことそんな対象に見れないというならありがたいです。夜な夜な想像されたらたまったもんじゃありませんし。それに……、明日は何の日か知ってるんですか?」
「月曜だろ? 祝日でもないし、俺の誕生日でもない」

「明日は、燃えるゴミの日です」

男が持っているゴミ袋を指差し、ドヤ顔をする。
とうとう言ってやった。
固まったまま動かないのだからきっと、図星をつかれて反論が出来ないのだろう。
少し遅れて不機嫌な声で「だから?」と聞こえてきた。

ーーだ、だから?

今、燃えるゴミの日と伝えたばかりなのに、その日本語さえも理解出来ないのか、と思うと腹立たしい。
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