潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
◆気持ちの変化と決別
週一回、日曜日の2時〜5時の3時間、舞は譲の部屋に通った。

一ヶ月半も経つとこの部屋もずいぶん綺麗になったな、と感慨深く見渡す。
最初は、どうなるかと思ったが、今は舞の部屋と遜色がない。

部屋の掃除を始めた途端、騒音もパタリと止んだ。
それに、譲も頑張ってくれているのか、洗濯物は一箇所に纏めてくれるようになったし、ゴミも可燃込みと缶類は分けてくれるようになった。
スーツやシャツなどは、すべてクリーニングに出しているらしいから、纏めたものを洗濯機に入れて洗剤を入れて回すだけ。その後の処理も、譲がしてくれている。
あんな見た目や思ったことをそのまま伝えてしまう言動で腹が立つこともあるけれど、でもやるときはやるんだな、と感心する。

仕事である程度の地位らしいから、本当は出来る男なのだろう。
ただ、やらないだけで。しかも、舞に対しても遠慮が無い。
言い返しても、言いくるめられてしまうが、思ったことを口に出来る関係は楽だった。

なんだか、自分は旦那を矯正する主婦みたいだな、と笑いが込み上げてくる。
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