幼馴染に恋をして(心愛ver)

中学三年生

朝、何時もの様にエレベーターの前で彼を待つ・・
どんなに耳を澄ませても「カチャ」と鍵を開ける音は届かない・・

寝坊?時計を見ると5分も過ぎていた・・
もしかして私が遅かった?
そう思って駅までダッシュする。
女バスで1番の健脚な私は何時も乗る電車に間に合うが

ホームには彼の姿は無かった・・

(もしかして休み?)と思いながら登校する。
この時間に1人で登校するのは初めてだった
何時も近くに好きな人の背中や温もりがあったのに・・
学校までの道のりが遠く感じ・・
風で舞っているピンクの花びらにも何も感じなない・・
追い打ちをかけるように彼と同じクラスにはなれなかった・・

「ココア同じクラスだね。翼と藤原が同じクラスだよ」
とクルミちゃんが教えてくれる・・
「安藤君 いいな~」
と心の声が出てしまいクルミちゃんが少し困ったように笑った。
「又、いつか同じクラスになれるよ」そう言って優しく微笑んでくれる親友。

私は同じクラスになれなかった事より
朝、彼が出てこなかったことが心に引っかかっていた。

その日から私は彼に朝会う事は無くなった。
教室を覗くと彼は登校している。
クラスが違うと会う事も、話す事も無くなった・・
彼が何故 朝、来なくなったのか解らないままだった。

1か月を過ぎた頃に漸くクルミちゃんに彼が朝、来なくなった事を話した・・
クルミちゃんは
「だからココア元気無かったんだ・・
クラスが違うだけが原因じゃなかったんだね」
「うん。同じクラスになれるなんて思っていなかったから
それは余りショックじゃなかったんだけれど・・
朝 居ないのがショックで・・」
「理由聞いた?」
「うんうん 聞いていない・・全然、彼と会わないから・・」
「同じマンションでフロアーも一緒なのに会わないの?
逆にそれって奇跡じゃない?」
「確かに・・そう言えば私、昔から朝
< 12 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop