幼馴染に恋をして(心愛ver)

そうこうしているうちに高等部に進学して直ぐに
藤原が中等部の女子と登校した。

あまり生徒が登校している時間では無かったけれど
通常の登校時間範囲内だったので
何人にも目撃されていた。

私はいよいよココアの耳に入るのも時間の問題だと心配になった。
案の定、始業式から一週間後にはココアの耳に入るようになり、

その話を聞いた時には固まっていた・・
私はつい「あっ」と声を発してしまった。
その一声でココアには私が噂を知っていた事を悟ったようだった。
隠しているつもりは無かったけれど、あくまでも噂の段階で
ココアの耳に入れたくなかった・・
その思いをココアは気が付いてくれていたのは有難かった。

こんな事で壊れやすいのが、思春期女子の友情の難しさだ
私は翼に確認しようか思案していた・・
余計な事かもしれないし、翼は私が藤原の事を聞くのを好まないし・・

色恋に私が首を突っ込むのが、果たして良いのかも解らなかった。
そんな事を考えて睡眠不足で翌朝登校したら、教室にココアが居なかった。
荷物はあるし、今朝は朝練と言っていたのに?
と思っていたらHRギリギリに教室に入ってきたココアの眼は
真っ赤で、心なしか腫れていた・・(泣いていたんだ・・)

背中を見つめながら、今もココアが泣いているような気がして
抱きしめてあげたかった・・
ココアが泣く理由は一つしかない・・
私はその原因の藤原を盗み見ると、彼は何時も通りの藤原だった。
その顔は小学生で知り合ってから、何も変わらない表情だ。

昼休みに強引にココアを屋上に連れていく・・
ココアは藤原が中等部女子と登校して来た姿を
窓から見て耐えられなくなって、トイレに籠っていたと・・
私はその打ちひしがれているココアを
ほっておけなくて禁じ手を口にした
「翼にきいてみるから」
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