幼馴染に恋をして(心愛ver)
音楽会を境に、大抵の女子が藤原に抱く心情が
恋心からアイドルを愛でる憧れに変わっていった
彼に告白する人が減った事でも良く分かった。

私だけが気持ちを切り替えられないでいる。

その結果、勉強に集中出来なくて、中間テストの結果は散々で
三者面談になってしまった。

憧れにシフト出来た人たちの恋心は偽物で、
そのまま変わらない私の思いは本物の恋だと正当化していた。

そんな私にクルミちゃんは切なげな顔を向ける事が多くなっていた。
心配をさせているのは解っていたがどうする事も出来ない。
クルミちゃんは否定する事は無く、
私の愚痴や辛い思いを聴いてくれていた。

木々が色を変える頃、私の前を仲良く歩く二人の姿を見ていた
彼があの子の頭に堕ちた銀杏の葉を拾い上げ、
それをあの子が受け取り、自分の制服の胸ポケットに挿す。
ただの葉っぱがブローチに変わった
あの子は何の努力もしないのに、彼からいとも簡単に与えられる
私はその葉っぱ1枚すら差し出された事は無い。

落ち葉の上を軽やかにスキップするように歩くあの子は
子犬の様にしか見えない。
そのスキップを嫌悪にしか見えないのは私だけで、
彼はそれを手伝うかのようにあの子の鞄に手を掛ける。
当たり前の様に預け、スキップをするあの子。
私の彼女への嫉妬心はマックスに膨れ上がった。
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