幼馴染に恋をして(心愛ver)
一週間後両親から受験の許可が下りた。
但し条件付きだった 途中で投げ出さない。 
明応中学一本勝負。 
大学も明応大学に進学する事。

両親は高校受験、大学受験に掛かる費用対効果分析をし、
この結論になったと大学進学の時に聞いた。

私は必死に努力を重ねた。

自分で言うのもだけれど美人ではないし
凄く可愛い訳ではないけれど、ソコソコ男子に人気はある。

髪の毛は茶色くてフワフワで程よくカールしていて
女の子からしたら憧れる髪型(ただ、雨の日は泣きたくなるけれど・・・)
大きな目では無いけれど二重瞼で少し垂れ目は悪くないし
笑うと可愛いと言われる八重歯にアヒル口・・

私は勉強の合間に鏡と睨めっこして笑顔の練習をしている。

彼の隣に居る為に努力しないと・・勉強も頑張る。

私は「海斗」と名前を呼べない代わりに家で暇なときは色々な所に 

藤原心愛 と書いて夢をみて自分を奮い立たせていた。

彼が明応中学を受験するかは話題にならないし、
もし、万が一に私が彼を追いかけて受験するなんて
知られたくなかった。

あくまでも知らんふりで受験して受かって吃驚同じ学校。

これって運命?みたいに思って欲しかった。

本当に必死に勉強した。

それは彼に相応し女の子になる為と隣に居たいがために・・

同じクラスになって解ったこと 彼は皆に優しい。

だからからかバレンタインデーも受け取らないと
聞いたときは何となくだけれど納得した。

彼は誰からも何も受け取らなかった。

私が安心して恋心を温めていられたのは彼の行動が一定だったから。

傷つく事も無く嫉妬する事もなく同じ空間で一年を過ごした。

私は彼を好きという気持ちを加速させていった。

その後同じクラスになる事は無かったが不安になる事も無かった。

そう、彼を信じていた。
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