私の好きな彼は私の親友が好きで
大学を後にした私はそのまま美容院に向かう。
ベタかもしれないが亮介が気に入ってくれていた
この髪の毛と、お別れするつもり。
髪の毛を触るたびに、髪の毛を褒められた事を思い出さない様に

胸まであった髪の毛は肩に掛からないボブにし、
染めた事の無かった髪も明るいブラウンに、
合わせ鏡で見せられた後ろ姿は自分では無いようだった。

翌、日曜日
11時にランチを一緒にしようと陽菜と待ち合わせていた。
カフェで私を見た陽菜は茫然として 目が点になっている
「み み美月、髪の毛・・・どうしたの?」
「フフフ 盛大に失恋した   なんてね。嘘 イメチェン。どう?」
「・・似合っている。今までと雰囲気もかなり違って・・」
何故か少し歯切れが悪い陽菜・・もしかして似合ってないのかも・・と
不安が・・そうだ!もう小さな事でクヨクヨするのは止めたんだ!
そう思い顔をグッと持ち上げた。
その仕草にやはり陽菜は怪訝な顔をする。

11:15分 カフェの入り口から亮介が入ってくるのが見えた
立ち上がり手を振ると固まった!
私だと気が付くのに5秒くらいい掛かったようで
複雑な表情をしてこっちに来る。
途中、陽菜が居る事に気が付いた亮介は顔が変わった・・
ズキっ 未だ痛む胸に気が付かないフリをする。
「美月、髪の毛どうした?」
亮介を認識した陽菜が同性の私が見ても可愛い顔をしていた。
あ~恋している2人。
「イメチェン。どう?」
「なんか 女らしさが益々減ったと言うか・・」
「もう、亮介のバカ!」
(亮介、これからは女の子にそんな事を言ってはダメだからね。)
「亮介君、こんにちは」
「陽菜ちゃん、どうしたの?」
「うん。美月とランチする約束していて・・」
「え?」
「そう、陽菜と約束していたんだけれど用事が出来ちゃったから
亮介、陽菜とランチ行って!」
「でも、」と渋る亮介・・
陽菜が「亮介君、予約の取れないお店なの。どうしても行きたかったから
お願い。」と手を合わせる陽菜・・・
そんな可愛い仕草で頼まれたら断れないよ・・ましてや亮介は陽菜が好きなんだから
「2人ともゴメン。私がボーとしていて迷惑掛けちゃって。」
「私、もう行かないと間に合わないから・・今度埋め合わせするから」と
拝みながら荷物を持つと亮介が
「髪の毛似合ってる」とボソっと口にしてくれた。
目頭が熱くなって慌てて顔を逸らした・・・

「じゃあ」と手を上げ後にする・・・
振り返ってはいけない・・もう、2人の世界だから・・
これ以上は無理だ・・
私は顔を持ち上げ、前を見据えて歩く。

すれ違う人の視線で泣いている自分に気が付いた。


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