私の好きな彼は私の親友が好きで
食堂で桐谷さんを見かけ、又懲りずに声をかけた。
「全然、既読にならない・・桐谷さんから美月にメッセージ送って」
「石原君のメッセージが既読にならないなら、私からのメッセージも
既読にならないんじゃない?」
「・・・それでも桐谷さんから送って」
「断る」
「なんで?美月の事,なにか知っているから送らないの?」
「他のお友達とは連絡ついているの?」
「いや・・」
「じゃあ、良いじゃない・・石原君も友達、他の2人も同じように
連絡がついていない。同じ友達。おかしくないでしょ?」
「で・「亮介く~ん」」又、陽菜ちゃんの声・・
桐谷さんは目であっちへ行ってくれと・・・
講義が終わり、慌てて教室を出る。
俺を避けるように足早に教室を出た桐谷さんを追いかけ
「桐谷さん、お願いこっち来て」と
邪魔が入らない校舎の陰に誘う。
「ちょっと、石原君 なんなの!」
「ちゃんと桐谷さんと話をしたいから」
「私は話す事なんてないんですけど」
「桐谷さんが俺の事嫌いなのは知っているけど
少しだけで良いから話を聞いて。」
不機嫌を顔全体で表していて、自分より年下なのに
緊張で震える。
面と向かうと何を話したらいいか解らなくなり
更に彼女の雰囲気に呑まれ、思考が止まり、口から出たのは
「桐谷さん、陽菜ちゃん 安西さんのこと嫌い?」
「はぁ~ それ今、必要?」
「あ、そうじゃなくて・・」しどろもどろになる。
「俺の事を嫌いなのは知っているけど会話はしてくれる。
でも、安西さんが来ると桐谷さん貝になるから・・
安西さんも美月の友達で同じように心配しているから・・」
「フッ エントリーした会社も知らないのに・・友達ね~」
「就職先はデリケートな問題だから、話さない人もいるんじゃない?」
「私は知っているよ」
「・・・」
「親友だと思っているのは美月だけだよ。安西さんは美月を
友達だなんてこれぽっちも思っていないから」
「な なんでそんな事・・桐谷さんは安西さんの事知らないのに!」
知ったかぶりして陽菜ちゃんを落とすような言葉に腹が立った。
「そんなに怒るなら、安西さんと仲良くしていたら。
美月の心配している風だけれど、安西さんを悪く言ったら怒るのでしょ?
そうしたら私が口を効かなくなるの解るよね。じゃ、」
彼女はそこから立ち去ろうとする。
「待って」
「石原君が何が一番大事か、解ったら話しかけて。
それが解らないなら2度と私の時間を無駄にしないで!」
そう言って桐谷さんは歩き出した。
その背中は追う事を許されなかった。