私の好きな彼は私の親友が好きで

美月には一緒に寝ると狭い!と言ったベッドに寝転がり、
既読にならない画面を見ていると、永遠に既読が付かないのでは?
の思いに心臓が早鐘のようになる。
子供の頃に動物園で抱っこしたモルモットのように
心臓の鼓動が早いのが自分でも解る。
ベッドには美月の匂いが未だ残っていた・・
「このベッドから美月の匂いが無くなるなんて在り得ないよな」
と独り言ちる。
どうせ・・と思いながら美月の電話番号をタップする。
やはり機械音が応答した。
がっかりしてスマホをベッドの無造作置く。
 
桐谷さんの言っていた言葉を自分の中で整理する。
『親友だと思っているのは美月だけだよ。安西さんは美月を
友達だなんて、これぽっちも思っていないから』
桐谷さんはそう言っていたよな・・
美月から愚痴を聞いているなら「美月は陽菜ちゃんを親友だと思っていない」
だよな。
逆だという事は美月は陽菜ちゃんを親友と思っている。
じゃあ、どうして桐谷さんからあの言葉が出たんだ?
美月と陽菜ちゃんは、俺が見ている限りでは仲良くしていた。
実際、美月と一緒に居る時に陽菜ちゃんの悪口は聞いたことが無い。

桐谷さんが美月を陽菜ちゃんに盗られたからか?

そうだとして大学に来ない理由にはならない。
そもそも、桐谷さんは美月が居なくなった事に
動揺をしていない。
やっぱり何か知っているんだ。
そうなると俺らより遥かに親しい事を物語っている。
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