私の好きな彼は私の親友が好きで

その時、ベッドの下に放り投げたスマホがピコンと
新着メッセージを知らせる。
美月!
慌ててスマホを取り、慌て過ぎて落とす・・何しているんだ俺。
スマホの画面を見て期待した分、奈落の底に、これでもかと
いう位に突き落とされた。
陽菜ちゃんからのメッセージだった。
それを開く気分にもならなくて、再度スマホを床に放る。
3日前には陽菜ちゃんからのメッセージを喜んで見て
美月に「告れば!」と言われたのを思い出した。
あれ、その時俺は何て返事した・・

もし、一緒に居る時に美月に省吾からメッセージが入って
笑ったら俺はどう思うのだろう・・
美月はどんな気持ちで「告れば!」と口にしたのだろう。

陽菜ちゃんを好きな俺に抱かれている、と美月は思っていたのだろうか?

トクン、トクン喉から心臓にかけて締め付けられるこの感覚・・

美月にスキと言ったか?愛していると言ったか?
付き合って下さい。と口にしたか・・
どれもNOだ。
美月が自分をどう思っているのか解らなかったから
なにか余計なことを口にし、今の関係が壊れるのが怖くて
優しい言葉の1つもかけてやっていない

はぁ、俺、見捨てられたのか。

自分で思った事に切なくなる。

うつ伏せになり枕に顔を埋める。
美月の匂いで一杯になって何故か涙が出た。

美月、寝ながら泣いていた。
なんで 聴かなかったんだろう。
どうして、美月は答えてくれない、なんて勝手に決めつけた?
寝ながら泣くような辛い事ってなんだったんだ。
幾ら考えても思い当たらない事に情けなさを感じた。

チリリリン チリリン 無造作に転がっているスマホが
着信を告げる・・
慌てて画面を見ると 陽菜ちゃんの表示・・・
取る気にならなくて 放置する。
切れたと思ったら又、鳴る。
今まで、陽菜ちゃんから電話なんてなかった。
どうして今?

桐谷さんの言葉が引っ掛かり、陽菜ちゃんからの連絡が
素直に喜べなくなっていた。

それに、桐谷さんからの宿題の答えが見つかって居なかった。
『俺にとって1番大事な物』
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