トンネルの向こう側
お菓子を買って、タクシー乗り場付近で立っていると、恭一さんの外車が止まった。

私は走り寄って、助手席のドアを開けて乗り込んだ。 車はすぐに発進した。

「さやかちゃん、大丈夫?」

「恭一さん、ありがとうございます。
将大から電話が来ました。もう、ビックリしてて…」

「ドアミラー見てごらん。彼が立ってるだろ?」

ドアミラーを見たさやか。
友貴がタクシー乗り場に 立ってこちらを見ていた。

「さっきは変な事 言ってゴメンね。
ヒロに関心がいかないように、俺と何かあると思わせたほうが良いと思ったんだ。」

「はい。あのあと駅まで質問攻めでした!」

「彼と約束もしてないのに、待ち伏せされたの?」

「はい。ちょっと残業して駅ナカでお菓子を買ってからキッチン岡部まで行くつもりだったから、尚美も有紗もいなくて…
会社の玄関出たら、友貴がいてビックリしました。」

「これからは、俺の会社の前を通って駅まで行きなよ。
トモキがさやかちゃんをつけてないかわかるからさ〜。
つけてる時は電話入れるからね。
会社から真っ直ぐキッチン岡部へ行くとヒロとの事がバレるからさ!」

「それだと、恭一さんのお仕事に支障が…」

「オープンしたばかりで、暇だから大丈夫!ハハハ! 
ホント可愛い事言ってくれるな〜
はい! キッチン岡部にと〜ちゃ〜く!
さやかちゃん、お誕生日おめでとう!
今日は、楽しんでな! 
ヒロもテンション高かったぞ!ハハハ!」

「え? あ! はい…ありがとうございました。」

さやかは、キッチン岡部に入って行った。
何だかんだと、19時過ぎになっていた。

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