総長様に愛されたい!~溺愛するはずが溺愛される日々が始まりました~
思い切り話が逸れてしまったけれど、ここであることに気が付く。
「なるほど。菫と一緒にいる、プラス強い。その二つが変に相まって、朱雀のメンバーってことになったんですね」
私の言葉に朝日くんが控えめに頷いた。
菫の顔からも笑顔が消えて、小さな声でまた謝っているのが聞こえた。
「菫のせいじゃないよ」
微かに震えている菫の手を握って笑いかける。
「菫は逃げてって、後ろにいてって、私に言ってくれたじゃん。
それなのに私が、チーム同士の喧嘩に勝手に手を出しちゃったのが悪いんだよ。
本当に、ごめんなさい」
立ち上がって頭を下げる。
スカートを握る手に力が籠った。
和葉くんが怒っているのがどうしてなのか、私には理解できた。
菫が頭を上げるよう促してくれるけれど、頑なに頭を下げ続けた。
昨日突然現れた転校生。
その人は不躾に幹部に近づいてきて、わざとらしく見える程に総長が好きだと振る舞っている。
そして突然違うチームから吹っかけられてきた喧嘩に、急に流れ始めた違和感しかない噂。
私がその、蛇蝎というチームと関わりがあると見る方が自然だ。